homeeducational activitiescurrent teaching › 2024 Spring

情報代数学特論C LECTURE ON COMPUTER ALGEBRA C
2024年度 春セメスター 水曜 3時限 (13:25-15:05) / 18-701教室 / 理学研究科数理科学専攻 1,3セメ対象

担 当:那須 弘和 (nasu [at] tokai.ac.jp)
教員室:18号館708室 情報数理第2研究室

連絡事項
  • この講義のまとめページを作りました. (7/18)
 

授業の記録, または予定 配布物のダウンロード

第1回 曲線のリーマン・ロッホの定理1 層係数コホモロジー, 直線束O(n)に対するR-Rの定理, 種数5の7次空間曲線の定義イデアル
第2回 曲線のリーマン・ロッホの定理2 代数多様体上の有理関数, 曲線上の因子, 主因子
第3回 曲線のリーマン・ロッホの定理3 主因子の次数, 因子に付随する正則層, 曲線のPicard群
第4回 曲線のリーマン・ロッホの定理4 R-Rの定理(因子に対する), Serre双対定理と標準因子, 射影直線の特徴付け(R-Rの応用)
第5回 曲面のリーマン・ロッホの定理1 代数曲面上の因子(と交点数), 正則層, Picard群と対称双線形形式
第6回 曲面のリーマン・ロッホの定理2 因子群とPicard群, ファイバーの自己交点数, Bezoutの定理, P^2とP^1×P^1のPicard群
第7回 曲面のリーマン・ロッホの定理3 Neron-Severi群とPicard群, Serre双対定理, R-Rの定理, 種数公式
第8回 有理写像1 ブローアップの定義と性質, 有理写像の定義, 双有理写像の例(P^2とP^1×P^1の間)
第9回 有理写像2 線形系と固定点, 射影空間への有理写像, 有理写像の不確定点除去
第10回 有理写像3 射影曲面の射影, 2次曲面の射影と射影平面の2点爆発, 爆発の普遍性定理
第11回 有理写像4 爆発の普遍性定理の証明, 双有理射と双有理写像の構造定理
第12回 有理写像5 2次変換(Cremona変換), 双有理同値類と極小曲面
第13回 有理写像6 Castelnuovoの可縮判定定理とその証明
第14回 曲線と曲面と有理写像のまとめ 期末レポート

授業概要
本講義は代数幾何学の入門講義である。代数曲線や代数曲面上のリーマン・ロッホの定理や代数曲面の双有理幾何学に関する基本結果を理解するのが本講義の目標である. 代数幾何学は代数学の中でここ100年ほどの間に大きく発展してきた分野である. Grothendieckらによるスキーム理論導入後, 層やコホモロジーといった道具を用いて抽象的な枠組みで議論されることも多いが, 具体的な代数多様体について詳しく調べる形で研究が発展することも多い. 本講義ではまずは代数曲線と代数曲面(1次元と2次元の代数多様体)の基本的性質について理解することを目標に講義を進める. 代数幾何学を学ぶための準備として, 線形代数は勿論のこと, 位相幾何学の初歩を理解していることが望ましい.

授業の目標
参考書 評価方法
期末レポートにより評価する. 到達度90%以上でS,80%以上でA,70%以上でB,60%以上でC,60%未満はEとする. ただし、出席回数が授業回数の2/3に満たない場合は/とする.

担当教員への連絡方法
Teamsのチャットから担当教員に連絡するか、担当教員のメールアドレスにメールする.

学生へのメッセージ
数学を講義のみで理解することは不可能である. 理解を深めるためには予習・復習はもとより, 自ら演習問題に取り組み, 時間をかけてじっくり考えることが不可欠である.

top